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介護保険、子どもの医療費助成、まちづくり(三井グランド)ー区議会定例会で一般質問ー

問題だらけの介護保険改悪

 今年6月、介護保険改悪法が、自民党、公明党、民主党の賛成によって成立しました。軽度者のサービスを取り上げ、施設利用者に居住費、食費を全額自己負担させるなど、利用者に大幅な負担増を押し付けるもので、多くの団体や個人から批判の声があがりました。
施設入所者は大幅負担増

 10月から特養ホームなど施設利用者の食費・居住費が保険からはずされ全額自己負担になります。多床室に入っている保険料第4段階の人の場合、これまで毎月5万6千円でしたが、2万5千円も引きあがり8万1千円に。年間30万円の負担増となります。第3段階の人も毎月1万5千円の引き上げとなり、年額では18万円も負担が増えます。
 ショートステイの利用も従来の利用料以外に、居住費と食費あわせて1日2530円の新たな負担が発生。すでに、利用日数を減らさざるをえない事例もうまれています。私は、国の制度だが、負担軽減のために、自治体として支援策を検討するよう求めました。区は、居住費、食費の自己負担増の影響を受ける区民の利用者の総数は1400人程度と予測。今回の見直しは、在宅でサービスを受ける人との費用の不均衡を是正するためのもの、という政府の見解を示すのみで、区としての支援策は考えていないと答弁しました。
デイサービスの食費も値上げ

 デイサービスなどの通所介護サービスも食費が保険外負担になり、値上げされます。自己負担が増えることによって利用回数が減ることのないように、千代田区や荒川区などのように、区が独自に補助することを検討すべきですが区はまったくやる気がありません。
事業者も大変

 利用者の負担増とともに、サービス提供事業者への影響も深刻です。介護報酬の削減で大幅な減収になり、経営がなりたっていくのだろうか、サービスの水準を維持していけるのだろうかと施設事業者は悲観的です。東京都の経営支援事業を増額してほしいとの要望が寄せられています。サービス低下をおこさないために区として支援策を検討し、都に対しても特養ホームへの支援事業を拡充するよう要請せよと迫りました。区は、食費等は事業者が利用者と契約するものであるから区として支援はしない。経営支援事業についても都に要請する考えはないとの見解を示しました。
安心できる介護保険に

 高齢者や家族に大幅な負担を押し付ける今回の改悪に対して、杉並区は国のいいなりで、なにひとつ独自に支援していこうという姿勢がありません。来年4月からの本格的な改悪実施を許さず、安心できる介護保険の改善のために取り組みを強めましょう。

小学生まで子どもの医療費無料化を

 少子化克服のうえで、子育て家庭への経済的支援は重要です。そのひとつとして、現在、小学校就学前までになっている乳幼児医療費助成制度を小中学生へ拡大する自治体が広がっています。対象年齢、助成内容に若干の違いはありますが、港区、大田区、北区、台東区など10区で始まっています。
 わが党は、今年の第一回定例会で対象年齢を小学生まで広げる条例を提案しましたが、多数の反対で否決されてしまいました。しかし、杉並区でも早く実施してほしいと多くの区民が願っています。
 国や東京都に対して実施を求めるとともに、区としても独自に実施するよう求めました。区は「経済的支援は重要な施策だが、国や都が取り組むべきもの。今後も国や都に要請していく」と答えましたが、独自に取り組む姿勢は示しませんでした。

三井グランド宅地化計画は住民参画で

避難場所は縮小、環境悪化に

 三井グランド(高井戸東1丁目)を閉鎖して、大規模住宅を建設する計画がいよいよ重大な段階を迎えています。計画の中身は、グランドはすべて閉鎖し、6階建ての中層マンションと戸建て住宅で700戸の大規模住宅を建設しようとするもの。その結果、地震が多発し震災対策が求められていながら、逆に広域避難場所の面積は半分以下に縮小。貴重なみどりとオープンスペースも失われ、地域の景観は一変。また、人口と車の増加によって周辺の道路や駅の混雑、小中学校の教室不足などの事態を引き起こします。
三井不動産いいなりの杉並区の地区計画

 重大なことは、杉並区が三井不動産の計画に即して、容積・建ぺい率を1・5倍に引き上げ、用途地域も「低層住居専用」から「中高層住居専用」に変更する地区計画案を作成し、都市計画決定を急いでいることです。杉並区のまちづくり基本方針では三井グランド周辺地域は「防災拠点となるみどりの拠点」としています。特定の企業のために、区が自ら決めた計画を変更し、容積・建ぺい率引き上げの便宜まで図るなど、住民から強い反対の声があがっているのは当然のことです。
非民主的な区の進め方

 私は、①地区計画をつくるうえで、計画段階からの区民参画を保障しない区の進め方はおかしい ②公告・縦覧で意見書の提出が行なわれているが、反対が多ければ、白紙に戻すことも選択肢にいれるべき、と主張しました。区は、「構想の段階から説明会をひらいて区民の参画を図ってきた、住民の意見はできるだけ取り入れていきたいが都市計画審議会で審議してもらう」などと逃げの答弁に終始。三井グランドについては、複数の他会派の議員からも質問があり、民主的でない区のまちづくりの姿勢があらためて浮きぼりになりました。