ニュース年頭第1号(NO.83)から
耐震強度偽装問題 解決を早く
深刻な社会問題となった耐震強度偽装問題は年を越しました。
杉並区での建築確認の実態をみると、平成16年度建築確認数は約2700件、そのうち3分の2が民間の確認機関によるものです。また、民間の確認機関のなかで、イーホームズ500件強、ERI400件強となっています。この年度とは別に、区内には姉歯1件、ヒューザー3件、シノ建2件があります。
区議会都市環境委員会で、毎回報告がありますが、この問題は極めて深刻です。区に調査を依頼してもそれに応える検査能力がありません。先に挙げたいくつかの物件については、専門機関に調査を依頼せざるをえないのが実情です。それだけ、耐震強度偽装の罪は根深いものがあります。
「官から民へ」の落とし子
こうした事態を引き起こした大本には、1998年に建築基準法を改悪し、国民の生命や安全をまもる許認可事務を営利を追求する民間企業に開放したことがあります。いま、「官から民へ」がもてはやされ、杉並区政でも大手をふっています。
“民間ができることは民間へ”“民間のほうがすぐれている”と一方的に世論をつくり、さまざまな分野で民営化が進められてきました。しかし、「官から民へ」「規制緩和」が万能なのでしょうか。企業の最大の使命はもうけを追求することです。効率や利潤を追求するあまり安全やサービスの質は二の次、三の次になってしまいます。国の責任を投げ捨て、なんでも民間まかせ、自己責任の押しつけである「小さな政府」では国民のくらしや福祉は守れません。JR西日本の列車脱線事故なそもあわせ、根本的に思想の転換が必要ではないでしょうか。
善福寺川で緊急事業決定
水害対策として、緊急で集中的な事業が善福寺川や妙正寺川で行われることが決まりました。都が、申請し、国土交通省がOKを出したものです。工事は今年度から5年、事業費113億円です。内容は環七から上流の河川断面の拡大や洪水を一時的に貯留する調整池の整備などです。
党区議団が、吉田都議とともに、都の建設局河川対策部門に、現在の30ミリから50ミリ対応に河川を整備することを求めた申し入れが活きました。引き続き、都市型水害を根絶するためにがんばります。