開会中の区議会第三回定例会で、乳幼児医療費助成の拡充が明らかにされました。区長は、本会議で「具体的提案を次期定例会に議案提案ができるよう所管に命じる」と答弁。保健福祉委員会では「小学生までと中学生にも何らかの助成をしたい」と答えました。

小倉順子議員　制度拡充求めるが答弁不一致

医療費助成を拡充する区長答弁は、公明党と杉並自民議員連盟（杉自）の議員の一般質問に対するものです。わが党の小倉順子議員が、二人より先に一般質問にたち、対象年齢を引き上げるよう求めていましたが、答弁に立った子ども家庭担当部長は、「国や都が行うべき」と拡充を否定しました。与党と野党を差別し一八〇度違う区長答弁は許されるものではありません。
　党区議団は「同じ日の本会議答弁がこんなに違うなど許されない」と強く抗議をしました。対応した区長室長は「区長に伝えます」と弁解の余地はありませんでした。

区民要求とねばりづよい取り組みが区長を動かす

　わが党は、毎回議会のたびに対象年齢の引き上げを求めてきました。しかし、区長は「国や都がやるべきこと」と一貫して拒否し続けてきました。昨年の第一回定例会でも議員提案をおこないましたが、他会派の反対多数で実現しませんでした。今議会あらためて乳幼児医療制度を小６まで拡充する議案提案を幹事長会で各会派に伝えた翌日、杉自、公明党、民主党、杉並自由無所属（自無）の四会派が急きょ区長に申し入れを行い、さらに一般質問でも公明党と杉自が取り上げるなどあわただしい対応のなかで一気に拡充の動きが広がりました。子育て世代をはじめとした区民からの強い要求と党区議団のねばり強い取り組みが各会派とともに区長を動かしたものです。
　引き続き、子ども医療費助成の充実を図るとともに、子育て世代の声を区政にいかすため全力をつくします。

日本共産党の提案にはあくまで反対の与党会派

　党区議団が提案した対象年齢を６歳から当面小６まで拡充する議案は、９月２９日の保健福祉委員会で審議されました。
　わが党の議案に対し、与党会派からは「趣旨はわかるが、財源はどうするのか」「医療機関など関係者との接触はもったのか」「予算的な裏づけがない、安易な議案提案は区長の予算編成権を侵すものではないか」などの質問が出されました。答弁にたった山崎一彦区議団長は「区の経常収支比率は７８％と新しい施策に使える余裕が十分ある。また、家庭でいえば普通預金にあたる財政調整基金がかつてなく貯まっている。やろうと思えば十分できる」と答えました。
　実際、区長も拡充に着手するといっており、自分たちも要求しておきながら、財源問題について質問するなどまったく矛盾だらけ。あくまでも日本共産党の議案提案には反対という態度です。結局、委員会での採決では、杉自、公明、民主、自無、生活ネットが反対し、否決されました。