2013年決算特別委員会 消費税増税と生活保護について質問
第3回区議会定例会(9月9日〜10月10日)の決算特別委員会で、消費税増税問題、生活保護制度について、質問しました。
税や社会保険料等の負担が区民のくらしに重くのしかかっています。昨年度、介護保険料、後期高齢者医療保険料が値上げされ、高齢者の負担が大幅に増えました。75歳以上、夫婦世帯年金収入240万円の場合、前年度比で4万1120円も値上げされました。(下表) 子育て世帯でも、年少扶養控除が廃止され、増税となりました。
こうしたなか、安倍首相は、来年4月からの消費税8%への引き上げを決断しました。国民の所得が減りつづけるなかで8兆円もの大増税が行われれば、くらしも経済もどん底に突き落とされてしまうのは、火を見るよりも明らかです。さらに、一体改革といってきた社会保障も、70〜74歳の医療費窓口負担の引き上げや要支援1・2の人を介護保険サービス給付から除外するなど改悪メニューが目白押しとなっています。もはや社会保障のためといってきた口実は完全に崩れ去っています。
党区議団は、この間、消費税増税に対する田中区長の認識を質してきましたが、区長の姿勢は終始、「税と社会保障の一体改革は必要。国の動向を注視する」というものでした。今回の質疑のなかでも、区民のくらしをまもる立場にたって、国に増税中止を求めるべきと質しましたが、「その考えはない」というものでした。国の悪政にたちはだかって、区民をまもる姿勢が極めて弱い区長の姿勢が浮きぼりとなりました。
雇用破壊や年金の減少などで、杉並区でも生活保護受給世帯が増えています。
増加の背景には、財界に押されるままに進められた非正規雇用の拡大、失業給付制度の改悪、リーマンショックの直撃、さらに、低年金、介護医療の負担増などがあり、まさに政治の責任といえます。よく「年金や最低賃金より生活保護のほうが高い」などと言われますが、問題にすべきは年金や最低賃金の低さです。ここを改善しない限り、生活保護制度に頼らざるをえない人は増え続けていくことになります。
−保護費削減 子育て世代ほど削減−
8月から、生活扶助費の基準引き下げが始まりました。今年から3年間で総額670億円の削減となる計画です。特にこどものいる世帯などで減額の影響が大きいのが特徴です。育ちざかりのこどものいる世帯では、さらなる切り詰めを強いられます。子どもへの貧困の連鎖を、どう断ち切るのかが課題となるなか、矛盾するものだと批判しました。
−国民を対立させることは許されない−
「生活保護を受けることを恥と思わなくなってきた」など、生活保護を利用すること自体を「恥」「悪」とみなし、そこに無駄な税金が投入され、怠け者をつくっている、生活保護制度をきびしくしろというバッシングが続いています。ここには、生活保護をスケープゴートにすることによって、貧困と格差にあえぐ国民の批判をかわし、国民を対立させながら、社会保障を解体に導こうとする政府の狙いがあります。こうした風潮は、生活保護を受ける必要がある人が、申請をためらい、病死や餓死者を生み出す危険性があります。 生活保護は、憲法で保障された権利であり、施しや恩恵ではありません。区としても、この立場をしっかり堅持するよう求めました。