杉並区内の都営・区営住宅における現状について公営住宅の石綿問題 実態把握と対策を
最大23万人に被害の恐れも
公営住宅で使用されていた石綿(アスベスト)により、居住者が健康被害を受けていたことが明らかとなり、不安が広がっています。
石綿被害の患者団体が公表したのは、石綿が使われた住宅に住み、被害にあった女性(53)の事例です。女性は、1歳から22歳まで県営住宅に住んでいましたが、住宅の天井には吹付石綿が使用されていました。2015年に急に激しい咳に襲われ、石綿特有の胸膜中皮腫と診断。石綿関連疾患は、ばくろ(石綿にさらされる)から発症までの潜伏期間が非常に長く、20年〜40年後に中皮腫など悪性がんになる危険性があります。
患者団体が公表した調査結果では、32都道府県の公営住宅等、約2万2千戸で石綿が使用されており、最大23万人がばくろのおそれがあると推計されています。
区内6カ所該当(判明分)すべて対策工事は実施済み
杉並区内では、6ヵ所の公営住宅が該当(判明分)しており、いずれも既に石綿対策工事は実施されています。しかし、石綿関連疾患は潜伏期間が長いため、石綿対策工事を実施する以前の居住者も含めた対応が必要です。
国は、石綿を使用していた公営住宅の実態を調査し、直ちに情報を開示すべきです。さらに、居住歴があるなど、石綿にさらされた可能性のある方への無料の健康診断や専門病院の紹介、補償救済制度の拡充等の対応が必要です。
石綿被害は被害対象が広範囲にまたがるため、国・都・区の連携した対応が必要です。引き続き、党国会議員団、党東京都議団と共に、対策を求めます。