2020〜2024年度の5年間で新たに6園を民営化 区立保育園の大規模民営化方針示される
前定例会が行われた9月、杉並区は「保育のあり方検討部会報告」に基づく公立保育園の大規模な民営化方針を示しました。
7割近くを民営化
44の区立保育園のうち、中核園(7圏域に2園ずつ、今後指定)と障害児指定園15園(現在8園、今後7園追加)を除く全ての区立保育園が民営化対象園となります。中核園と障害児指定園は同一園となる可能性もあり、今後、区立保育園の多くを民営化する方針です。計画では2020年度〜24年度の5年間で6園が民営化され、それ以降の民営化園は2022年度までに決定されます。前定例会では、2020年度に井荻・中瀬の両園が民営化されることが示されました。
「保育の質」を保つためにも 区立保育園の役割は重要
区は、民営化を進める理由について、保育関連経費が増大しているため、保育士の削減(243名)で人件費を抑制し、財政効果を上げるとしています。
昨今、民間企業が運営する新設認可保育所が増えるなか、「保育の質」に大きな格差が生じています。 「保育の質」で重要なのは、経験を積んだ保育士をはじめバランスのとれた職員の確保です。保育士が経験を重ね専門性を高めていくためには、働き続けることができる賃金や労働環境が必要であり、それを担保できるのが公立保育園です。保育所運営に企業参入が進むなか、区立保育園は区内の「保育の質」の基準となっており、その役割はますます重要となっています。さらに、今、各自治体では認可保育園の増設で保育士不足が深刻化しています。区立保育園の民営化は、保育士不足に拍車をかけることにもなりかねません。
保育士確保が困難な現状を踏まえ、区立保育園の増設(北区:区立保育園4園を新設)や、常勤の公立保育士の増員(板橋区:80名の募集)に取り組んでいる自治体もあるなかで、杉並区が保育士削減を財政効果として民営化を進めることは、公的責任を投げ捨てるもので許されません。
党区議団は、区立保育園の民営化方針の撤回を求めています。