高円寺地域の小中一貫校開校延期問題 住民に責任をなすりつける区の姿勢は重大問題
杉並区教育委員会は、2019年4月に開校予定だった高円寺地域の小中一貫校について、開校を一年延期すると発表しました。延期の理由について「工事妨害があり、工期内に完了できない」としていますが、事実に反するものです。
抗議行動を〝工事妨害〟にすりかえ住民に責任転嫁
区教委が〝工事妨害〟と言っているのは、高さ30mの巨大校舎によって住環境を脅かされる近隣住民が、連日高円寺中の門前などで、小中一貫校計画の見直しを求め「巨大校舎反対」というプラカードを掲げているだけの抗議行動のことです。非暴力のアクションであり、〝妨害〟などではありません。しかし、工事業者は、この住民による抗議行動を、〝工事妨害〟として工事遅延の言いわけにし、区も工事業者と一体になって住民に責任を押しつけたのです。
そもそも建築確認の大幅遅れが原因
工事が遅れている一番の原因は、都の建築安全条例に基づく建築確認が4か月も遅れたことです。その他、今秋の長雨、杭打ちの難航も、工事が遅れた原因だと専門家からは指摘されています。さらに、オリンピック・パラリンピック関連の建設時期に重なったため、工事の検査等が遅れたことも理由の一つだと、区自身が区議会に説明しています。
こうした理由については、区民に説明しないばかりか、住民による〝工事妨害〟など無かったにもかかわらず、工事遅延を住民のせいにする区の姿勢は重大問題です。
高円寺地域の小中一貫校建設は中止し、住民とともに、より良い学校づくりを行うべきです。