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2019年予算特別委員会 学校芝生管理報告書偽造事件を追及

6年間署名捺印を偽造 驚くべき真相が明らかに

 日本共産党杉並区議団は、3月13日の予算特別委員会で、学校芝生の維持管理(北2ブロック)を受託してきた事業者が、毎月区に提出しなければならない報告書を、長期にわたって偽造してきた問題を質しました。
 
報告書偽造は140回 偽造された副校長は9人

 不正を行っていたのは、荻窪小学校など3校の芝生維持管理業務の契約事業者・箱根造園株式会社ですが、実際の業務は、日本体育施設株式会社東京支店が下請で行っていました。
 契約では、副校長の署名と捺印をもらった報告書を毎月区に提出することになっていますが、事業者は、1回目にもらった署名、捺印のカラーコピーを無断で繰り返し貼り付けて提出。不正行為は、2013年から4校で行われ、偽造回数は140回、偽造された副校長は9人に及び、コピーしただけでなく、事業者が勝手に署名したケースもありました。
 
刑法に抵触の可能性も

 党区議団は、こうした行為は、明らかに刑法159条の有印私文書偽造に抵触する可能性があるのではないかと追及。しかし、区は、警察が「財産にかかわる文書でない」と判断したという理由で違法性を否定しました。

刑法159条
 ・・・偽造した他人の印章若しくは署名を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書若しくは図画を偽造した者は、3カ月以上5年以下の服役に処する

不正をしながら契約続行 区の判断は重大問題

 契約では「不正行為」があった場合、契約を解除できることになっていますが、区は2か月の指名停止にしただけで契約を継続。停止期間についても、区の要綱では最大5か月、標準でも3か月なのに、区は過去3年の履行成績が良好だという理由で、2か月にしたと答弁しました。
 党区議団は「過去6年間も悪質な不正を行いながら、事業者を擁護し、不正行為を不問にするかのような区の判断は重大問題」と批判しました。

1位落札は毎年同じ企業 不自然な入札の実態を質す

不正事件の調査を通じて、学校芝生管理の不自然な入札の実態も浮き彫りになりました。

ブロックごとに同じ大手が毎年1位 「回数が均一」「規則性」は通報対象

学校芝生管理事業の入札は、区内の学校を5ブロックにわけて行いますが、6年連続で同じ大手造園業者が1位を取り続けるという異常な実態が明らかになりました。
 区は「不自然ではない」と言い張りましたが、党区議団は、公園樹木管理の入札も、4年連続でブロックごとに同じ業者が1位を取り続けていることも明らかにしました。
 「不自然でない」と言い続ける区に対し「公正取引委員会が示した手引書では『回数が均一』『規則性』がある落札は、公取委への通報の対象とされており、意見を聞くよう要求している。通報すべきではないか」と迫りましたが、区はそれも拒否するという異常な態度に終始しました。