2017年第1回定例会 一般質問「子どもの貧困対策について」「国民健康保険について」全文
日本共産党杉並区議団を代表して、子どもの貧困対策について、国民健康保険について、質問いたします。
日本の子どもの相対的貧困率は16.3%、OECD加盟国34カ国中ワーストテンの深刻さです。貧困率がふえている背景には、政府が進めてきた雇用、福祉、社会保障の切り捨てなどがあります。
先日NHKで「見えない“貧困”〜未来を奪われる子どもたち〜」という番組が放映されました。4人家族の母子家庭、母親の収入は手当を含めても一月約20万円、中学3年の長男は姉のお下がりのシャツで学校に通い、小学校5年生の妹は、働きづめの母親にかわって家事を手伝うため、学校が終わっても友達とは遊ばず、真っすぐ家に帰ります。お母さんと話す時間がなく寂しい、けれど我慢していると話します。
貧困は、家族とつながる時間をも奪っています。貧困によって、子どもの健やかな成長や教育を受ける権利が侵害されたり、人生のスタートラインで希望や意欲まで奪われ、子どもたちを追い詰めています。経済的な貧困自体つらいものですが、それが、どうせ自分なんてという諦めになり、自己肯定感の低下につながることが懸念されています。
2013年に子どもの貧困対策法が成立し、翌年には大綱が策定されましたが、16%を超える貧困率を、いつ、どのくらいまでに、どのように減らすのか、改善の目標値を明示せず、課題の列挙に終わっているなど、実効性に乏しく、改善を求める声が上がっています。イギリスでは、子どもの貧困法で、相対的低所得のもとで暮らす子供を10%未満にしていくという数値目標を設定し、その結果、1997年に340万人だった貧困の子どもは、2007年には290万人に減少するなど、成果を上げています。6人に1人の子どもが貧困状態にある日本社会の現状は、一刻も放置できない問題であり、国、自治体挙げて、最優先で取り組むべき課題です。
我が党区議団は、一昨年の代表質問以降、子どもの貧困対策に取り組む上で、まず区内の子どもの貧困実態調査を実施すべきと求めてきましたが、区は、他区の情報を収集し、調査手法を研究した上で調査の実施の可否を検討していくなどと答弁してきました。
そこで伺います。杉並区における子どもの貧困の実態について、区は、どう把握し、どのような観点から解決、対応していこうとしているのでしょうか。
また、区は昨年2月、新たな庁内連携組織、子どもの貧困対策推進会議を設置し、こども食堂など、新たな子どもの学習支援や居場所づくりのあり方について検討を行ってきたと答弁しています。推進会議の体制やこれまでの検討結果などについて伺います。
子どもの貧困の中でも、ひとり親世帯の子供の貧困率は54.6%とさらに深刻です。母子家庭の母親の81%が働いていますが、そのうち47%が非正規労働者で、年平均の就労収入は179万円です。雇用の改善とともに、児童扶養手当の拡充など経済的支援の拡充は待ったなしです。2015年に区が行ったひとり親家庭実態調査でも、今後必要な支援として経済的支援を求める声が、全ての年代で8割を超える結果となりました。区は、就労支援事業などを行っているとしていますが、区独自の経済的支援についてはどのように考えているのか、見解を求めます。
日本は、義務教育無償の原則をうたっていながら、無償の対象は授業料や教科書のみで、制服代、副教材費、給食費、部活動費などは私費負担です。北欧では、学校で使用する教材は鉛筆に至るまで学校で支給するため、お金がかかりませんが、日本は、自分で使うものは自分で買って用意するのが当然になっているため、子育てに本当にお金がかかります。区内のある中学校に子供を通わせていた保護者から、中学1、2年生のとき、副教材費や給食費、修学旅行の積み立てなどで、年間24万円ほど納めていたという話も聞きました。区は、平成26年度から保護者負担軽減を行っているとしていますが、どのようなものか、伺います。
小中学生の貧困対策で不可欠なのは、就学援助制度です。杉並区の就学援助を受けている世帯は、2015年度、小学校で16.9%、中学校では25.6%となっています。直近の受給率はどう推移しているのか、伺います。
ここ数年の受給率の推移を見ると、2012年度は小学校で21%、中学校では31.9%でしたが、年々受給率が減少しています。生活保護基準の引き下げによる影響ではないかと指摘するものですが、区はどのように分析しているのか、答弁を求めます。
就学援助の認定基準額の目安は、ひとり親と小学生1人の世帯の場合で所得約282万円、両親と小学生1人の世帯で約337万円、やっと暮らせる水準です。杉並区の就学援助の認定基準は、生活保護基準の1.2倍となっていますが、保護基準引き下げもあり、1.5倍に引き上げるよう求めます。また、就学援助制度の周知について、あらゆる機会を捉えて周知に努めることが必要と考えますが、いかがか、お答えください。
就学援助の入学準備金は、小学校で2万700円、中学校で2万2,900円です。しかし、実際にかかるお金は、小学校の場合で見ると、ランドセルが平均でも4万円、そこに体操着や上履き、絵の具セット、鍵盤ハーモニカなどが加わり、6万円近くにもなります。中学校は、制服がある場合、制服代だけでも5万円前後、上履き、体操服などが加わると7万円前後、場合によっては10万円以上かかる場合もあるとのことです。
昨年5月の参議院文教科学委員会で我が党の田村智子参議院議員が、入学準備金と実際にかかる費用の額に大きな乖離があることを指摘、国は必要な改善を約束し、2017年度予算で、要保護世帯の新入学児童生徒に対する入学準備費用の国の補助単価を、小学生は2万470円から4万600円に、中学生は2万3,550円から4万7,400円に、約2倍に引き上げることとしました。大きな前進ではありますが、実際の経費にはまだ足りません。さらに区独自で上乗せして支給することを求めますが、いかがでしょうか。
準要保護世帯への引き上げも必要です。準要保護世帯に対する国の補助は、2005年に一般財源化され、援助の種類や単価は自治体の裁量に任されました。準要保護世帯への入学準備金についても増額を求めます。区の見解を伺います。
入学準備金であるにもかかわらず、実際に支給されるのが7月下旬となっていることも、家計の大きな負担となっています。場合によっては借金しなければならないという人もいます。我が党区議団は、昨年の第3回定例会一般質問で、文科省が地方自治体に対し、就学援助、中でも特に入学準備金について、児童生徒が援助を必要とする時期に速やかに支給することができるよう十分配慮することを求めた通知を出していることを紹介し、入学後の7月支給ではなく、入学前の支給に改めるよう求めました。
2月4日の朝日新聞では、「入学準備金 入学前に」と題し、春の出費で苦しむ家庭を援助するために、前倒しで支給する自治体が増加していることが報道されました。都内では、既に板橋区と世田谷区が中学校の入学前支給を実施していますが、これに続き八王子市では、小中学校の入学準備金を入学前の3月に支給することを決めました。さらに私たちの調査では、港区、豊島区、足立区、武蔵野市などが入学前支給の実施を表明しているということがわかりました。杉並区でも入学前の支給にすべきと求めますが、いかがでしょうか。
他自治体では、部活動費などを対象にしているところもあります。区として、今後、就学援助の費目の拡大に向けた取り組みを求めますが、見解を伺います。
就学援助を受けてない家庭への支援も重要です。区内の小学校に通う子どもを持つ女性、仕事はパートで夫とは別居しており、事実上シングルマザーです。養育費はもらっていませんが、夫の扶養となっているため、所得基準が上回っていて、就学援助を申請しても毎年却下されているそうです。家賃負担など重く、給食費の引き落としもしばしばおくれてしまうとのことで、教育にかかるお金は全て無料にしてほしいが、せめて給食費だけでも無料にならないかと切実に訴えています。学校給食は、栄養バランス、食育の観点からも重要な役割を担っていますが、年間の自己負担は小学校高学年で5万6,000円以上、中学校では6万1,000円以上と、特に低所得者世帯にとっては重い負担です。全国では、55の自治体で独自に給食の無償化を始めています。区としても、学校給食の無償化に踏み出すべきと考えますが、いかがでしょうか。
中学3年生までの医療費助成制度は、子育て世帯にとってはなくてはならない制度になりました。とても助かっているとの声が聞かれ、さらに高校卒業まで広げてほしいとの要望も出されています。高校生を持つ世帯は、教育費や部活など負担が大きくなります。特に低所得者世帯にとっては、中学生まであった就学援助もなくなり、一気に負担が増加します。都内では千代田区と日の出町が、高校3年生まで通院、入院とも無料、北区では入院した場合無料としています。区として、18歳までの医療費無料化の実施に踏み出すよう求めるものですが、見解を伺います。
高い学費や生活費のために、学生の2人に1人が奨学金を利用しています。平 均利用額は300万円にも上り、多くが有利子です。高い学費と教育ローンと化した奨学金が若者に、進学を諦めるか、バイト漬け、借金漬けで進学するかという究極の選択を押しつけています。
こうした現状の解決を求める国民の世論と運動に押され、安倍政権はようやく給付型奨学金の創設を表明しました。しかし、対象はわずかに2万人。住民税非課税世帯で、かつ成績優秀者に限定。学生55人に対してたったの1人です。この20年間で奨学金の貸与額は約5倍、人数は約4倍に急速に拡大している状況のもと、極めて不十分な規模と言わざるを得ません。その上、財源は、大学院生の返還免除制度の縮小や奨学金の借入額の制限など、現行の奨学金制度を削ってつくり出そうというのですから、政府の本気度が問われます。
我が党は、月額3万円の給付型奨学金を70万人、学生総数の4人に1人に支給する制度をまず創設し、規模の拡大を図っていくべきと提案しています。区は、大学等進学者を対象にした給付型奨学金制度について、国の検討の動向を注視していくと答弁してきましたが、今回国が打ち出した給付型奨学金制度について、対象や金額などどう評価しているのか、見解を伺います。また、国に対し、規模の拡大や学費の引き下げなど、教育予算の抜本的な増額を求めるべきですが、いかがか、お答えください。
東京都は、来年度から、私立高校生の授業料を軽減する特別奨学金を大幅に拡充し、低収入世帯の都立高校生の返済不要の奨学金創設を打ち出しました。重要な前進であり、大いに歓迎するものです。区の高校生に対する奨学金貸付制度は、高校3年間借りれば国公立で61万円、私立で104万円となっています。返済は、大学在学中は猶予されますが、さらに大学で奨学金300万円を借りた場合、大学卒業時点で、合わせて400万円前後の奨学金返済に追われることとなります。正規の雇用につけるかどうかという問題もあります。一定所得基準以下の場合、返済猶予ではなく、免除制度を設けることを検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。
生活保護世帯や児童養護施設の子供の自立支援の拡充も、大きな課題です。生活保護世帯の高校3年生で大学進学を希望する場合は、保護を受けながらの進学は認められないため、世帯分離し、学費や生活費は自分で稼がなければなりません。児童養護施設入所者は、特別な場合を除き18歳の誕生日、または高校に通学している場合は卒業と同時に、施設を退所しなければなりません。
先日、区内の児童養護施設に伺い、話を聞きました。その施設では、7割の子供が親からの虐待で入所しているとのこと。退所する際、就職や進学のための支度金として、国などから27万円ほど出るとのことですが、アパートを借りるにしても、とても足りません。高校在学中からアルバイトをして貯金する子供も多いとのことですが、精神的に追い詰められる、そういう子供も少なくないそうです。生活保護世帯や児童養護施設の子供の大学進学など、奨学金の貸付制度などがあるといっても極めて不十分で、支援の拡充は待ったなしです。
世田谷区が児童養護施設退所者を対象に年額36万円の給付型奨学金を創設し、区営住宅を低廉に提供する住宅支援を実施したことが、全国的に注目されています。区としても、児童養護施設退所者や生活保護世帯、ひとり親家庭などの大学進学を支援する給付型奨学金制度の創設に踏み出すべきと求めますが、いかがでしょうか。
また、児童養護施設を退所する若者に、自立に向けた区独自の支度金の上乗せ、住宅確保支援など実施すべきと求めるものですが、見解を伺いまして、次の質問に移ります。
国民健康保険について質問します。
来年度の23区の国保料について、1人当たり平均で7,252円値上げし、11万8,441円とすることが特別区長会で確認され、今定例会に提案されます。区民1人当たりの医療費がふえるため、医療分の賦課総額が増額すること、2018年度からの広域化に向け、特別区として実施していた高額療養費への一般財源からの繰り入れの割合を、今年度33%から25%に縮小したことなどが値上げの要因です。過去5年間で、金額、率とも最高の値上げ幅となります。
区長会のシミュレーションでは、年収900万円の給与世帯の一部で、保険料が前年比3,000円ほど下がるところがあるものの、それ以外は、低所得者も含め軒並み値上げです。年収300万円の年金生活者、2人世帯の場合では、現在22万2,936円の国保料が1万4,685円引き上がり、23万7,621円になることが示されています。今でさえ国保料が高くて払えないとの声が数多く寄せられています。予算、決算特別委員会で毎回取り上げていますが、今年度、40歳夫婦と子供1人、年収300万円の世帯の国保料は約33万1,000円、年収の1割以上を占めるという重い負担です。これ以上の負担はもう限界です。区は、毎年保険料が値上げされ区民の暮らしを圧迫していることを、どう認識しているのでしょうか。また、これ以上値上げはすべきではありませんが、田中区長は特別区長会にどのように臨んだのでしょうか、お答えください。
国保の加入者は、かつては自営業者と農林漁業者が多数派でしたが、今では年金生活者、非正規労働者が7割を占め、加入世帯の平均所得は、1991年の260万円から2010年度は145万円へと激減しています。加入者が貧困化しているのに保険料が上がり続けるのでは、滞納がふえるのは当然です。低所得者が多く加入している国保は、適切な国庫負担なしには成り立ちません。ところが国は、1994年の国保法改悪で国庫負担を引き下げたのを皮切りに、2014年までの間に、市町村国保の総収入に占める国庫支出金の割合を50%から24%へと半減させました。その結果、保険料は上がり続け、払えない滞納世帯の増加という悪循環を繰り返しています。
こうした構造上の問題を置き去りにしたまま、国は、2018年度から、国保の運営主体を市町村から都道府県に移す広域化を実施する方針です。多くの自治体が、国保料額を抑えるために一般会計から繰り入れをしていますが、国の広域化の狙いは、市町村の一般会計の繰り入れをなくし、保険給付と保険料負担を直結させることにあります。都道府県化への移行で一般会計からの繰り入れがなくなり、保険料の大幅引き上げを危惧する声が上がっています。
そこで伺います。広域化になった場合、23区の保険料が現行の統一保険料となるのかは検討中だということですが、杉並区の保険料は引き上がる見込みなのでしょうか、伺います。
広域化は、保険料の値上げ、医療抑制、徴収強化につながるおそれがあるだけで、加入者にとっては何のメリットもありません。広域化は中止するよう声を上げるべきと求めますが、見解を伺います。
杉並区の国保加入世帯は、ことし1月末現在で9万8,138世帯、加入者は13万5,945人、滞納世帯は、転出や社保に移った人も含めて3万9,800世帯に上っています。有効期間の短い短期証の発行数は2,766件、医療機関で10割全額自己負担となる資格証は983件となっています。国保料滞納の制裁として保険証を取り上げられた生活困窮者が医者にかかれず重症化、死亡したり、生計費を差し押さえられた滞納者が餓死や自殺に追い込まれたりするなどの事件が全国で発生しています。
先月、仕事先でけがを負い、入院しているという50代女性から相談が寄せられ、病院まで話を聞きに行きました。けがの治療費については労災扱いなので負担はありませんが、内科の疾患も見つかり、治療が必要となりました。その分については保険扱いとなりますが、保険料を滞納し資格証明書のため、このままでは10割自己負担となり大変な額になる、何とかならないかというものでした。
詳しく経過を聞くと、けがをしたのは11月でしたが、保険証がないため医療機関に行くのをためらい、薬局で薬を買って様子を見ていました。しかし、日に日に病態が悪化、自分でも尋常ではないと思い医者に行ったところ、直ちに入院だと言われました。それでも医療費が心配で入院は断り、自宅療養していました。しかし、ついに12月半ばには動けない状態となり、年が明けた1月2日、救急車を呼んで病院に搬送され、入院に至ったというわけです。
重篤な状態だったそうですが、私が面談に行った1月15日にはかなり回復していました。しかし、これから手術しなければならず、その後、仕事への復帰は難しいのではないかと暗い表情で、もっと早く病院に行っていればここまでひどくはならなかったのではと涙をにじませ、悔やんでいました。けがは労災だったのだから、早く医療機関にかかって入院していればよかったのにと思うかもしれませんが、保険証がない、医療費が払えないという心配が真っ先によぎったのでしょう。保険料の滞納については、数年前に一度窓口に相談に行ったが、とにかく払ってほしいと威圧的な態度で対応され、それがトラウマとなり、二度と相談に行きたくないと思ったそうです。
相談を受け、後日、女性の夫が国保の窓口に行き、緊急に治療が必要であること、生活困窮のため滞納分の半額は無理だが、とりあえず今年度分の保険料から分納していく計画などを相談し、3カ月の短期保険証を発行してもらいました。夫は土建業で、10年ほど前から仕事が減り、家賃負担も重く、国保料を払えなくなってきたそうです。命を救うはずの国民健康保険が逆に住民の命と健康を脅し、苦しめる事態になっています。
そもそも国保は、国民健康保険法第1条でうたっているように、社会保障制度です。資格証の発行、差し押さえなど、本来あってはなりませんが、区はどのようにお考えでしょうか。医療を受ける権利を奪う短期証や資格証の発行、差し押さえはやめるべきと求めます。見解を伺います。
厚労省は、資格証明書の人で、医療を受ける必要が生じかつ医療機関に医療費の一時払いが困難であると申し出た場合は、特別な事情に準ずる状況にあると考えられることから、緊急的な対応として短期保険証を発行すること、と自治体に通知しています。資格証明書のために医療機関の受診をためらい、重篤な事態に陥ることがあってはなりません。区民の命と健康を守る立場に立ち、この通知の内容、すなわち、保険料を滞納し資格証明書の人が、病気やけがをして治療が必要なときは短期保険証を発行します、ためらわずにすぐに区役所に相談してくださいという案内を、広く区民に周知すべきです。区の見解を伺います。
さきに紹介した女性は、保険料を滞納しているため特定健診は受けられないのではないかと思い込んでいたとのことです。保険料滞納を理由に健診が受けられないということはありません。このことについても区民に広く知らせることが重要と考えますが、いかがか、お答えください。
収納率の向上対策や差し押さえ件数の割合などによって交付されている都の特別調整交付金は、事実上報奨金ともいうべきものです。区の資料によると、杉並区には、2014年度1億2,000万円、2015年度は8,000万円が配分されました。都が自治体に報奨金まがいの交付金を交付し、差し押さえを推奨するようなことは許せません。中止するよう都に求めるべきですが、見解を伺います。
介護保険には、生活保護基準ぎりぎりの所得状況にある世帯が保険料徴収によって保護基準以下となる場合に、保険料免除を適用する境界層措置という救済制度がありますが、国保にはそうした仕組みがありません。そのため、保護基準ぎりぎりの境界層世帯が保険料の賦課徴収によって基準以下に落ち込むなど、生存権が侵害される状況が広範に起こっています。国保でも境界層減免を実施するよう国に働きかけるとともに、区としての措置も検討するよう求めますが、いかがでしょうか。
2011年の保険料算定方式の変更により各種控除の適用がなくなったため、低中所得世帯や障害者、家族人数の多い世帯の負担が重くなりました。また、所得に関係なく世帯の人数分支払う均等割も年々上がり続け、今年度は4万6,200円となりました。子供の人数が多いほど負担がふえることになり、少子化対策や貧困対策にも逆行するものと指摘されています。
子どもの均等割の軽減については全国知事会が国に求めており、特別区長会の中でも、世田谷区長が話題にしているなどということも聞いています。都内の自治体では、昭島市で第2子以降の軽減制度を実施し、東大和市では第3子以降を無料にしています。我が党はこれまでも、均等割の負担軽減や独自の保険料減免制度の実施を検討すべきと求めてきましたが、区は、23区統一保険料方式を理由に、困難であると背を向け続けています。しかし、貧困が広がる中、負担軽減は待ったなしです。多子世帯や障害者、寡婦寡夫世帯に対する区独自の保険料減免制度実施に踏み出すべきと求めます。見解を伺い、質問を終わります。