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2019年第4回定例会 一般質問「商店会の補助金不正受給問題について」全文

日本共産党杉並区議団を代表し、商店会の補助金不正問題の検証委員会調査結果について質問いたします。

 西荻窪の複数の商店会による補助金不正問題は、領収書を偽造し、都民、区民の税金が不正に請求され、それが飲食などにも使われたという点で、商店会の責任は重大であり、厳しく問われなければならないことは明白です。
 同時に、協賛金未計上の水増し請求については、区が、平成25年度分について都から協賛金未計上の是正指導を受けながら、翌年から5年間にもわたって協賛金未計上の実績報告を提出し、結果的に税金の不正受給を招いたものであり、その経過と責任の明確化は避けて通れない問題です。この点で、私は第3回定例会一般質問で、区の職員や担当管理職の責任にかかわることであっても、区として、厳正にかつ公平公正な真相解明を行うことを求めました。
 区はこれまでの我が党の質問に対し、検証委員会で明らかにしていく旨の答弁を繰り返し、我が党はその検証結果を注目してきました。検証委員会は、過去に例のないほど、聞き取り調査や資料の点検を行う努力をしたと思われます。しかしながら、私は、報告書を読んで疑問を感じる点が多々ありました。検証結果と区の提案の是非を検討する前提となる事実経過であり、曖昧にすることはできません。そうした立場から質問します。
 
まず、検証の仕方、報告書のまとめ方についてです。
 報告書は、区の職員、商店会、杉商連の証言の抜粋を順不同に並べているだけで、入手した資料などの分析の報告はありません。本来、検証というからには、協賛金の認識についてなど、課題、テーマごとに、区職員の証言、商店会側の証言、さらに、その証言を裏づける客観的な記録や資料によって真実を究明し、検証結果を示すべきだったと考えますが、区はどういう考えで報告書をまとめたのでしょうか、伺います。
 最大の解明点の1つは、区の職員は、商店会がイベントのために協賛金を集めていたことを5年間にわたって知らなかったのか、逆に見れば、商店会側はこの事実を隠し続けていたということなのかということです。
 私の第3回定例会一般質問では、区職員は協賛金自体の存在を知り得なかったと答弁しました。報告書では、職員の証言として、趣意書の存在は知らなかったとは記載されていますが、協賛金自体について知っていたのか否かがわかりません。この点について、11月5日の区民生活委員会の我が党金子委員への答弁では、職員は協賛金は知っていたと答弁しましたが、これも条件つきで、イベントに使わない協賛金については本体会計に入れればいいということを言っていますので、知っていたというものでした。
 そこで伺いますが、担当職員は、協賛金の存在自体を知っていたのか否かについてどう証言したのでしょうか。証言そのものをお答えください。さらに、その証言はいつ行われたのか。いつから知っていたのか。また、西商連の会計に入っていることをどのように確認したのかについてもお答えください。
 
次に確認したいのは、協賛金の存在を区の担当者が知っていたのか否かについて、商店会関係者がどう認識していたのか、また、その根拠が何であったかということです。報告書では、商店会側の証言として記載されているのは、趣意書の作成は報告していなかったというものです。
 協賛金を集めていたことの認識をはっきりさせる上で重要なことは、区の職員が花かけを見ていなかったのかどうかという問題です。
 9月17日に発表された検証委員会の進捗状況という報告書では、職員は花かけの存在については把握していなかったと記載されています。さきの区民生活委員会での答弁は、職員全員に聞いた結果として、記憶にないという形で、そうした発言しか出てこなかったというものでした。
 そこで、再度確認しますが、関係職員何人に聞き取り、その全員が判で押したように記憶にないと答えたのでしょうか。
 また、区民生活委員会では、協賛金と花かけの関連性については、当時その思いに至ることがないので、それも含めて記憶がないという証言を得ているという答弁もありました。これはどういう意味なのでしょうか、説明してください。誰が考えても、5年間にわたり、ハロー西荻の場合、駅の南北に大きく掲示した花かけを記憶にないということは、不可解だと思わざるを得ません。
 花かけについての職員の認識についても、商店会側の証言がどうだったのかが示されていません。私たちは商店会幹部から、区職員が花かけを指さして、花かけの掲示をやめるよう言われたとの話を聞き、その件は、8月末に検証委員会に呼ばれた際に話したと聞いています。報告書には記載されていませんが、そうした証言があったのではありませんか、いかがですか。
 さらに、報告書では、花かけに関して、写真は撮らないようにと区職員に言われたという商店会関係者の証言について、「伝聞であることの証言が多かった。」などと、不確かなことであるかの印象を与える記述になっています。しかし、実際に区の職員から花かけの写真は撮らないように指示があったという証言を得ているのではありませんか。どのような場面で、区職員からどのように言われたと証言したのか、具体的に答えてください。
 
検証を行う上で重要なことは、証言とともに、客観的な資料や記録などによる検証です。しかし、報告書では、入手した資料等の分析の報告はありません。
 商店会は、実績報告を区に提出する際、事業の現金出納帳の写しを添付して提出することが義務づけられています。決算特別委員会及び区民生活委員会でも示しましたが、商店会の会計担当者が区に送った平成27年度のハロー西荻の出納帳には、協賛金収入として75万5,000円が記入されていました。この点からも、イベントに協賛金が使われていたことを知らないということは成り立たないと思いますが、説明してください。
 ところが、不可解なことに、商店会から区に出された形になっている平成27年度のハロー西荻の実績報告に添付された出納帳には、協賛金収入が計上されていないことを、私たちは開示請求した資料によって確認しました。これは、区民生活委員会の答弁では、期日に間に合わすために区の職員が作成したとの答弁だったと思いますが、なぜ計上されていなかったのか、改めて確認します。
 また、商店会からの出納帳提出が間に合わなかったとしたら、出納帳なしでどうやって実績報告書を作成したのですか。また、商店会から出納帳が提出された後、なぜ訂正しなかったのかも伺います。
 
さらに重大なことは、ハロー西荻のイベントのために集めた協賛金を、本体会計という西荻窪商店会連合会の会計に入れるよう、区の職員が指導していたと思われる記録があることです。それは、さきの区民生活委員会で紹介しましたが、平成28年2月23日の西商連役員会の記録で、区より説明と指導をいただくとして、ハロー西荻とおわら風の舞の協賛金は西商連の運営費として計上すると記載されていることです。これは極めて重大な記録です。区の職員が、イベント協賛金を、イベントの収入に計上するのではなく、西商連の運営費に計上するよう指導したことになるのではありませんか。
 以上、指摘してきた経過を見れば、商店会がイベント協賛金を集め、イベントに使っていたことを区の担当職員が知らなかったとは考えられません。私の第3回定例会での質問に区は、そもそも協賛金があったという事実自体を職員は認識していなかったと答弁しましたが、本会議での答弁であり、この本会議の場で訂正を求めるものですが、いかがですか。
 
解明すべきもう一つの問題は、都から是正指導を受けていながら、協賛金未計上の実績報告がなぜ5年間にもわたって都に提出されたのかということについてです。この問題は、検証委員会設置の目的と所掌事項の中で、「これまでの所管の調査では、十分に明らかにならなかった点を、必要に応じてヒアリングの対象範囲を広げるなどして、深掘りした調査を行うこととした。」としていることからも、区の責任が問われる重大問題です。しかし、この点でも、決裁者である管理職がどう対応したのか、報告書では明確に記載されておりません。
 私は、第3回定例会一般質問で、都が平成25年度分の是正指導をした翌年、つまり26年度分について、区が協賛金未計上の実績報告書を出してきたために都が点検の電話を入れ、区の担当者が協賛金なしと対応したことについて、開示文書も示して質問しましたが、区は、都からの指摘はなかったと答弁しました。
 しかし、区がこの点について、平成26年度事業分実績報告書について、鉛筆書きで加筆した部分について、誰が、いつ記載したのか、また、その裏づけとなる根拠があれば示してほしいと質問状でただしていることが検証委員会報告書でわかりました。質問に対する都の回答を紹介してください。その回答によれば、3定での私に対する区の答弁は訂正するよう求めるものですが、いかがですか。
 平成26年度、27年度分の都への実績報告書の決裁者は、25年度分の是正指導を受けた決裁者であり、是正指導が継承されなかったかのような区の言いわけは通用しないと思います。26年度分の協賛金未計上の実績報告を受けた管理職はどういう対応をしたのですか。区民生活委員会の答弁では、内容まで見ることができなかったとの説明でした。
 また、報告書では、「事情があったにせよ、適切ではなかった。」としていますが、是正指導がありながらチェックしなかったことは、責任が問われる事態です。経過と責任について区はどう認識しているのでしょうか、お答えください。
 
以上、補助金不正をめぐる経過と責任を明確にする立場から質問してきましたが、率直に言って、報告書は肝心な点が不透明という印象を否めません。また、我が党は議員としての責任を果たす立場から、独自に開示請求による関係文書の入手や商店会への聞き取りを行い、そこでわかったことや参考となる資料は、真相究明に協力する立場から区に提出してきました。そうした努力に対し、商店会の尻馬に乗ってなどと誹謗する発言があったことは極めて残念です。
 なお、検証結果に基づく商店会への請求及び区の責任に関しては、答弁及び区民生活・総務財政委員会連合審査の質疑を通じてただしていきたいと思います。
 明確な答弁を求め、再質問を留保し、質問を終わります。